スタイロ防水・USD工法
屋根保護防水断熱工法
USD(アップサイド・ダウン)工法とは、屋根スラブの上に防水施工を行い、その防水層上に断熱材スタイロフォームRB-GK-Ⅱを張りつけていく工法です。
USD工法の特長
1.躯体の急激な温度変化を防止し、躯体の亀裂を防止。
2.日射、外力から防水層を保護。
3.夏季の夜間の「ほてり」をなくす。
4.天井局部結露の発生を防止。
外側断熱工法と防水層の位置
USD工法 |
BUR工法 |
USD工法の メリット |
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日射の影響 | 防水層の上に断熱材を設けているため、防水層の温度は夏季の日中でも32℃前後です。 また、冬は室温に近くなり、年間を通して温度変化は小さく防水層の伸縮*1はほとんどありません。 | 防水層は断熱材の上側にあるため、外気温や日射の影響を大きく受けます。 防水層の温度は、夏は70℃以上、冬は夜間輻射*2のため外気温より低くなり、その温度差によって伸縮は大きくなります。 例えば、防水層の年間の温度差を85℃とした場合、10m当り4.3cm伸縮しようとしてふくれを起し破断の原因となります。 | 防水層が 保護できます |
外力の影響 | 断熱材があるため押え層の施工時に防水層を傷めません。 施工後も防水層は押え層、断熱材により外力から守られています。 | 露出防水工法では、施工後防水層は外気に直接さらされているため、紫外線により劣化*3し、また外力によっても損傷します。 防水層の上に押え層を設ける工法では、下図のように下地の不陸によってコンクリートの打設圧力で断熱材が曲がり、隅部の防水層が破断することがあります。 | 防水層が 破損しません |
水蒸気の透過 | 室内側からの水蒸気が防水層により断熱材の下でせき止められているため、内部結露が発生する心配がありません。 | 屋根スラブの直上に防水層を設けないと下図のように水蒸気は断熱材を通って防水層まで達します。 そこで透過を妨げられ外気温により凝縮し、内部結露となります。この結露水は冬は凍結し、夏は蒸発して「ふくれ」を発生します。よってBUR工法では必ず防湿層が必要となります。 | 防湿層が 不要です |
- *1 防水層の伸縮:防水層をアスファルト防水とした場合、その線膨張率(単位温度当りの伸び率)は5×10-5cm/cm℃で、その温度差に応じて伸縮する。
- *2 夜間輻射:地表面や建物の外表面は昼夜を問わず反輻射(逆輻射)を受け、またこれらの物体からは常に大気に向かって熱輻射をしている。したがって地表と大気間には熱輻射授受が行われ、両者の差引きによって地表が失う熱輻射を夜間熱輻射という。夜間に顕著であるからこの名がある。
- *3 紫外線による劣化:アスファルトやアスファルトルーフィングは、紫外線の影響によって酸化が促進され、ワニ肌状を呈して劣化し破断する。
USD工法の押え層
湿式工法 | 乾式工法 | ||
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打設コンクリート |
砂利 |
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用 途 |
歩行用 | ○ | - |
軽歩行用 | ○ | - | |
非歩行用 | ○ | ○ | |
勾配屋根 | ○ | - | |
陸屋根 | ○ | ○ | |
耐熱性 | ○ | ○ | |
耐衝撃性 | ○ | ○ | |
耐風性 | ○ | - | |
通気性 | - | ○ | |
施工性 | ○ | ○ | |
メンテナンス性 | - | ○ | |
重量(kg/m³) | 150~200 | 90~100 | |
工法概要 |
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USD工法に最も適した断熱材
「スタイロフォームRB-GK-Ⅱ」
スタイロフォームRB-GK-Ⅱは、防水層の上に設けるための条件を満たし、USD工法に最も適した断熱材です。
サイズ
製品名 | 厚さ(mm) | 幅×長さ(mm) |
---|---|---|
スタイロフォームRB-GK-Ⅱ | 25/30/35/40/50/60 | 910×910 |
物性
JIS A 9521:「建築用断熱材」 押出法ポリスチレンフォーム断熱材
JIS規格/単位 | スタイロフォームRB-GK-Ⅱ | 試験法 | |
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JIS製品記号 | JIS A 9521 | XPS3bAⅡ | - |
スキン層 *1 | - | あり | - |
密度 | kg/m³ | 25以上 | JIS A 9521 |
熱伝導率 *2 | W/(m・K) | 0.028以下 | JIS A 9521 |
透湿係数 *3 | ng/(m²・s・Pa) | 55以下 | JIS A 9521 |
圧縮強さ | N/cm² | 20以上 | JIS A 9521 |
曲げ強さ | N/cm² | 25以上 | JIS A 9521 |
燃焼性 *4 | - | 合格 | JIS A 9521 |
吸水量 | g/100cm² | 0.01以下 | JIS A 9521 |
ホルムアルデヒド 放散区分 |
- | F☆☆☆☆ | JIS A 9521 |
加熱変形温度 *5 | ℃ | 80 | DSC法 |
線膨張率 | /℃ | 7×10-5 | ASTM D 696 |
比熱 | kJ/(kg・K) | 1.1 | ASTM C 351 |
酸素指数 *6 | - | 26以上 | JIS K 7201 |
- *1:発泡プラスチック断熱材の発泡時に断熱材の表面に成形される基材の樹脂層(JISA9521用語の定議)
- *2:第三者機関による公的データが必要な場合があります。その際はメールフォームよりご用命ください。
- *3:厚さ25mmの場合。
- *4:3秒以内に炎が消えて、残じんがなく、かつ燃焼限界指示線を超えて燃焼しないこと。
- *5:高温での使用については弊社までお問合せください。
- *6:材料を持続的に燃焼させるために必要な最低酸素濃度。26未満は消防法の取扱いにより指定可燃物となります。
- ※ スタイロフォームTM、及びスタイロエース-Ⅱは、JIS A5901,及びJS A5914に規定する押出法ポリスチレンフォーム断熱材の密度規定を満たしております。また、スタイロフォームwxについては、前述の密度規定を満たしておりません。